先輩の声

環境都市工学科を卒業された先輩方がどのような道を進んだのか,今どのようなフィールドで活躍されているのか,先輩方から貴重なコメントを寄せていただきました.進路選択の参考にしてください.

所 靖子さん(1974年度卒・8期生)

2017年1月19日の1C・CE入門にお越しいただいた後にお寄せいただいた原稿です.

 19日は貴重な時間を土木技術者女性の会会員の体験談を聞くことに当ててくれてありがとう。君たちの時代の感性あふれる感想を受け取り、自分の学生の頃を思い出して懐かしかったです。
 卒業してからも、勤務時間以外の時に技術とは何か、人間とはなにかを考えて本をよく読んだ、と話しました。仕事に関する勉強もしたけど、本もよく読みました。土木の小説では曾野綾子さんの書かれた「湖水誕生」や、吉村昭さんの「高熱隧道」、旅や土地のことを書かれた司馬遼太郎さんの「街道をゆく」などたくさん読みました。国土交通省中部地方整備局の国道維持出張所の勤務の時、昼休みに近くの図書館で借りて読みました。今は久しぶりにラフカディオ・ハーン「日本の面影」という本を読んでいます。「日本の面影」には、明治時代の美しい日本とそこに住む人たちの様子が、来日して間もないハーンの美しい文章で書かれていて、生活と景色の調和についてしみじみと感じながら、大切のものはなんだろうと考えています。
 役所の土木技術者としての仕事の中に、フランスからの留学生やノルウェーの女性土木技術者と会話することがありました。彼や彼女がその時の日本の景色や仕事ぶりを見ながら、気づいたことを教えてくれました。フランスからの留学生曰く、「日本は日本のアイデンティティーを大切にしなさい。」ノルウェーの女性土木技術者に「いくつまで働くのですか?」と尋ねたところ「公的には73才まで、それ以降は個人の領域」との答えでした。確かにその通りと思いました。
 日本で日本としての大切な景色や習慣を理解し、日々景色を作り上げたり、それらを守っていくのは、詰まるところ個々の人たちの生活や思いがだんだんと実現していくことで、その一員として、自分自身の心の持ちようや考えを自分で鍛えることが大切だと思いながら、これらの会話や本の内容を思い起こしています。そういう意味で、学生の頃に哲学の本を読んだことが面白かった(自分の心を鍛える糧になった)と言いました。
 学校の図書館はあの頃は文系の図書はほとんどなくて、奨学金をはたいて買ったボーボワールの「人はすべて死す」とか「人間について」とかを読んで、今生きているこの時間自分を大切に生きて努力するしかないなと考えたこともあります。
 19日に講演した女性の会会員の話を聞きながら、黙々と自分の仕事、家庭、趣味等に集中して生きている自分は幸せだと思ったことです。
 君たちも今在る青春の貴重な時間を大切にして、いい人生を送ってください。
 15,6才の今、土木技術者への道を選んだ君が悩み考えることも多いでしょうが、前途は洋々です。
 体と心を大切に、よく鍛えて、共に頑張りましょう!
※2017年執筆

河合 信之さん(1978年度卒・12期生)

 清水建設に入社してすでに37年が過ぎました.この間現場一筋,ものつくりの醍醐味を味わってきました.37年の会社人生で国内勤務10年,海外勤務27年目となりいつの間にか海外勤務が当たり前のようになっています.最初の勤務地は22歳で配属された,中東イラクのバクダットでした.何もわからずコンクリートを練り,それを打設するということを炎天下の中で行ったのも懐かしい思い出です.その後東南アジア・アフリカを勤務地とし,振り返ればすでに35か国訪問,9か国目の赴任で今ベトナムに来ています.その間橋梁・プラント・上下水道などインフラ工事を中心に様々な経験を大過なく積むことができたのも,ひとえにバレー部で鍛えた体と根性そして丈夫に産んでくれた両親のおかげと感じています.
 思いで深い工事は多くありますが,シンガポールの地下鉄工事はその中でも格別です.30年前に一番下の工事係員としてラッフルズ駅を担当しました.その頃のシンガポールはまだ発展途上でしたが,シンガポールの若手エンジニア達は皆,良い国つくりをしようという意気込みであふれていました.そこで3年半苦楽を共にした彼らは今私の親友です.そして月日は流れ2年前現在の勤務地ベトナムホーチミンに地下鉄工事のため赴任しました.30年前にシンガポール初の地下鉄を工事係員として従事した私が,今回はベトナム初の地下鉄工事に建設所長という立場で従事しています.2か国で初の地下鉄を担当するという恵まれたエンジニア人生です.そして現在の工事が完了する2019年には60歳を迎えることになります.今はこの工事が自分のエンジニア人生の集大成になるのかなと感じています.日本人スタッフ20名,ローカルスタッフ120名をまとめることは簡単ではありませんが,あまり肩ひじ張らずに毎日を過ごせるのも経験を積んだからなのでしょうか.
 そんな私が今後輩に伝えたいことは,自分の作ったものが後世に残るというかけがえのない喜びを是非味わってほしいということです.また一度しかない人生を日本だけで過ごすことはあまりにももったいないことだと思いませんか.是非海外に出て「豊かなやりがいのある人生」を送ってはいかがでしょうか.
※2016年執筆


オペラハウス駅 坂巻工法





バーソン駅 在来工法

中島 美鶴さん(1982年度卒業・16期生・下呂市立金山中学校出身)

 早いもので,NTT(当時は電電公社)に入社して33年*になり,通信設備の計画,設計,施工管理,維持メンテ等経験させていただき,現職はNTTインフラネット東海事業部という部署で,管路,とう道,マンホールなどの通信用地下設備の構築,維持,管理を一元的にマネジメントする仕事に携わっています.また,「無電柱化」を推進することで情報通信インフラ等における「安心・安全・快適」な街づくりを目指すための,電線共同溝建設工事の設計から施工までのやりがいのある仕事に従事しています.
 NTTグループ内で高専卒業者は「月曜会」という会があり,仕事上はもちろん公私に渡り全国の仲間とのネットワートを築いており,入社後に一緒に研修した仲間は今でも繋がりがあり,非常に心強く感じています.
 リクルーターとしてたまに,母校へお邪魔することもあり当時の記憶が思い出され,非常に懐かしく感じますが,在校中にエンジニアとしての基礎をしっかりと固めて,将来は地域社会に貢献する人材を目指してほしいと思います.
 なお,弊社HPで採用情報・営業活動のご紹介をさせていただいています.当社を志望していただく方々への参考となると思いますので,是非ご覧ください.
※2015年執筆  NTTインフラネット(株)HP : http://www.nttinf.co.jp/
中津川市内における地中化整備状況

山田 哲士さん(1992年度卒業・26期生・岐阜市立島中学校出身)

 国土交通省中部地方整備局に勤務して23年,これまで愛知県・岐阜県・静岡県の職場に勤務し,河川・道路の調査・設計・現場監督など幅広い仕事を経験しながら,中部各地で新たな発見・感動「富士山キレイ!魚ウマイ!」など,楽しく生活することができました.生活と仕事が両立しながら,スケールの大きい事業・やりがいの大きい仕事ができる職場は私の自慢です.
 高専5年生の時,担任の鈴木孝男先生のご指導のもと,私が中部地方整備局に決めた理由は,スケールの大きな仕事ができるからです.卒業後40年も仕事をするわけですから,しっかりした「やりがい」を見つけないと毎日やった!できた!という充実感が感じられず,仕事が楽しくないですよね.実際に就職してみてイメージどおりで先生や先輩に感謝しています.
 岐阜高専のOBが多いことも安心材料です.どこの職場にも先輩がいます.岐阜・豊田高専等OB職員でつくる「友専会」(会員約240人)があり,仕事の相談~飲み会・趣味の野球まで,公私にわたり,年齢に関係なく楽しく過ごすOB会があります。岐阜高専OBの進路の中では中部地方整備局が一番多く,先輩の助けに本当に感謝です.
 もっと職場や先輩の仕事をイメージしたい方はこちら!中部地方整備局のフェイスブックでは,1年目の職員が仕事・休日の過ごし方などを紹介する「新規採用リレー」をしています.誰でもアカウントなしで,スマホでも見られます.ぜひ見てください.
中部地方整備局FB:https://www.facebook.com/cbr.Recruit
その他中部地方整備局HP:http://www.cbr.mlit.go.jp/index.html
※2015年執筆
豊田・瀬戸・土岐・関・岐阜・大垣・四日市等の諸都市を環状に連絡させる延長約160kmの「東海環状自動車道」写真は大垣西IC付近の工事状況


高さ105mのアーチダム「小渋ダム」(長野県)

松井 智一さん(1991年度卒業・25期生・池田町立池田中学校出身)

 高専卒業後,岐阜県に入庁し,奉職23年目です.土木技術職として岐阜県に入庁し,河川,砂防,道路建設,道路維持,上水道,情報技術等,多様な業務に従事してきました.特に思い出深い経験としては,採用後数年で橋りょうの建設工事に何橋か監督として従事できたこと,またその後,この経験を生かして建設や維持補修に関する設計基準やマニュアルの策定作業に従事した折に,合理的かつ分り易い内容として取りまとめ等行えた点です.こうした作業を行う際には,岐阜高専在校の折に身体で学んだ「効率的,合理的,簡潔」といった校風が役に立ったと今でも思い起こされます.
 現在は,揖斐郡内の道路,河川,砂防といった社会資本の整備,維持管理等を行う土木事務所に勤務しており,数年前に発生した「一般国道417号 揖斐川町櫨原(はぜはら)地区地すべり対策事業」等の大規模な災害復旧や,落石・交通安全対策等といった道路の安全確保を行うための係で係長職として従事しています.
 岐阜県では,岐阜高専卒業生は「即戦力」として期待されています.一時採用数は少なくなったものの,近年,改めて採用者を増やしています.また,岐阜県に土木技術職として採用された岐阜高専卒業生雄志で,「専和会」という親睦会を設置し,現在70名以上の会員が所属して親睦を深めています.
※2015年執筆

桑原 真吾さん(2004年度卒業・38期生)

 高専本科から専攻科へ進み,名大大学院を経て,現在は日本工営(株)にてダムの設計・耐震解析をしています.高専時代の専門知識や実験・演習で体験したこと(水理・土質・材料・構造等)を生かしながら業務に臨んでいます.
※2015年執筆

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